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【倉庫スタッフ実はこんなことやってます。】第2回:カリグラフィーの歴史と道具(MAZ)

maz_web_04文字っていうのは言葉を記録しておいたり、伝えるための一つの方法で我々が生まれる前から育ってきた歴史がある。
起源は物事を表す絵であったり、それを簡易化した絵文字だったし、それがどんどん進化してきた。世界には多くの文字があふれていて、私が知っている文字は日本語の「ひらがな」「カタカナ」「漢字」そして英語の「アルファベット」。たった4つ。
そして私が知っている文字の歴史はカリグラフィー表現としての「アルファベット」だけだ。
だが同じアルファベットでもその時代背景を表す特徴や書き方を調べていくと文字の歴史は奥深く、世界中の言語、文字の歴史を知ろうと思ったら私の脳はそれだけで容量オーバーするだろう。

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    【目次】

  • ローマンキャピタル体
  • アンシャル体
  • ゴシック体
  • イタリック体
  • カッパープレート体
  • これがあればすぐ始められる!カリグラフィーの道具

ローマンキャピタル体


さて、それでは本題のカリグラフィーで使われる皆さんが見たことのあるであろう5つの文字の大まかな歴史についてお話ししましょう。
カリグラフィーの歴史の起源は一般に古代ローマの1~2世紀における石碑に掘られた碑文だといわれている。有名なのはトラヤヌス石碑使われていた。小文字はなく、すべて大文字を使われていた。2000年たった現在でも使っている大文字の原型がこのキャピタルモニュメントという文字で、これを書き文字として作られたのがローマンキャピタル体である。
trajan-inscription-1024x489–引用元

アンシャル体


先ほどの話だと大文字しかなかった。とお伝えしたが、では小文字はどのようにして作られたのだろう
今使っている小文字の基といわれるのがアンシャル体である。ギリシャ語の書体をローマ字体にした文字・アンシャル体。
2~3世紀、ローマでキリスト教が公認され、主にキリスト教の写本に使われるようになったこの書体は、転がるような丸みを帯び、標準とする文字の高さの上下に線が突き出るのが特徴となる。さらに、アンシャル体を基に作られたハーフアンシャル体という文字は上下に突き出る線がアンシャル体より長く、文字の大きさの違いが明確になったのだった。
KellsFol309r–引用元

ゴシック体


12~13世紀、ヨーロッパ各地に大学ができると写本の需要が増え、羊皮紙の値段も高価になった。というわけで一枚の紙にたくさんの文字を書くために文字のスペースを節約し、余白が少ない文字へと変わった。それがゴシック体。文字の幅も、隣り合う文字どうし、行間。すべてが幅狭でみっちりと紙を真っ黒に書くゴシック体は別名ブラックレターとも呼ばれた。この頃になると写本や装飾を専門にする人も出てきて、王侯貴族が作らせたものは金や象牙を使ったりかなり豪華で美しいものもある。
Illuminated.bible.closeup.arpa–引用元

イタリック体


14世紀、ルネサンス期になると早くかけて読みやすく美しいイタリック体ができた。
ローマ教皇庁の書体として使われると最初の書き方マニュアルにも使われた。
印刷術の発明もあり、本の生産は手書きから印刷に変わっていく一方、読み書きできる人が増え、文字を書く機会が増えた。書き方を教える人が活躍して、美しい文字の書き方の本も出版されるようになった。
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カッパープレート体


17世紀、イタリック体よりも更に速く書けるようペン先を紙から離さずに続けて書く、カッパープレート体ができる。ビジネス書、契約書など商業分野で使われるようになった。

5つ上げただけでこの量だがカリグラフィーの字体はこれだけではない。
カロリンジャ体、ルタンダ体、ゴジサイズドイタリック体…..
5つの字体の合間合間にさらにいくつもの字体があり、その時代の歴史を表現している。
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これがあればすぐ始められる!カリグラフィーの道具


ここまでかなり堅苦しい話を読んでくれてありがとう。それではここからはカリグラフィーに使用する道具について説明しよう。

  • ペンニブ(ペン先)
  • 私の愛用はスピードボール社。maz_web02_05ほとんどの字体は平たい先端のものを使用。縦横斜めに角度を保って書くことで線の強弱をつける。
    maz_web02_02カッパープレート体はペン先がとがっていて筆圧によって先端が開き、線の強弱をつけて書く。

  • ペンホルダー
  • maz_web02_06プラッチック製、木製、どれも先端のくぼみにペンニブを差し込んで使う。
    傾斜をつけるやすくするオブリークペンホルダーという一見変わった形のペンホルダーはカッパープレート体で使用。

  • インク
  • カリグラフィー専用のインクが沢山あるが、ミーハーな私は名前と見た目でドクターマーチンインクを使用。水性と水性顔料がある。
    maz_web02_08水性インクはサラりとした書き味で色を混ぜて使ったりグラデーションを作ることができる。但し、乾いた後も水に弱く濡れ手でさわってしまったりするとにじみが起きる。紙にもよるが書いているときもにじみが起きやすい。光に弱く特に暖色は日光に当たるところだと1か月たたずに退色してしまう。
    maz_web02_04水性顔料系インクは耐光性に優れ、発色も豊かだが、途中で水洗いしてたり、使用後もきちんとインクを洗いきっていないとペンニブのインク留めの中でカチカチに固まりってしまうので注意が必要。色によっては液体の濃度もが濃く、書きにくかったりペン先からインクが出ないものもある。
    絵具を用いて書くこともできる。

  • カリグラフィーマーカー
  • フェルトペンタイプでかなり書きやすい。一本で両端のサイズが違うペン先になっているので使い分けも簡単。
    色以外にも水性、油性、ブラシタイプ、先割れ(スクロール)など種類が豊富。何よりも片付けが楽ちんなのが魅力的。
    どんなに筆圧を気にしても書いていくうちにペン先が潰れてくるので細い線が書けなくなってくる。安価なのでどんどん買い足してしまい結局は結構な出費になっていたりする。maz_web02_01

  • 水彩画を描くようなインクの滲みにくい紙を選ぶ必要がある。そうでなければカリグラフィー用紙も販売している。練習帳を作るのであればおすすめはツバメノート、又はLIFEがいいだろう。表面が滑らかで書きやすく、厚手で滲みも少ない。maz_web02_09maz_web02_03
    私が最初にカリグラフィーの練習用に購入したのはツバメの無地。
    紙なんてなんでもいいんでしょ?と思うかもしれないがこの紙選びが重要となる。
    安い粗悪なコピー紙にインクで書いてもインクが滲んでしまう。


    ・・・ついつい長くなりすぎてしまった。(2部に分けなかったことを後悔)
    大きい画材店にいくと様々なペンニブ、インクなど誘惑が沢山でたとえ必要なペンニブ1つを買いに行ったつもりでも「あ、この色のインクいいな」「うわーこのペン使ってみたい」と、両手に荷物を抱えて店を出ることもしばしば。さらに紙までこだわりだすといくら財布に入れていても足りないくらいだ。
    はまりやすい沼なので本当に注意してほしい。


    <次週予告:カリグラフィーの道具の使い方・片付け>


    倉庫スタッフ実はこんなことやってます。〜MAZ編〜 バックナンバー

    第1回:これがアツい!〜魅力的な文字の世界〜
    第2回:カリグラフィーの歴史と道具


    text by:MAZ fantasy pen worksmaz_eye
    松岡 可奈枝/1991年生まれ
    2014年よりPAINT FACTORYにて修行後、独学で技術を学ぶ。 カリグラフィー、チョークアートを得意とし、 1枚ずつ手書きで製作するウェルカムボードを始め、 店舗のサイン、メニュー、壁画などもデザインから施工までを手掛ける。 現在はレインボー倉庫を拠点に活動。 個別にレクチャーを行うカリグラフィー講座も開催し、イベントではワークショップも開催する。 ジャンルやデザインにとらわれず幅広い活動を行う。
    https://www.instagram.com/mazdeath/

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