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【メンバーズボイス】池尻大橋/株式会社オールユアーズ 木村昌史さん

シェアスペース、レインボー倉庫。
そこにはどんな人がいて、どんな使い方をして、そしてどう働いているのか。
リアルな声を聞くため、倉庫スタッフによる倉庫メンバーへのインタビュー企画。

今回お話をお伺いするのは株式会社オールユアーズの代表・木村昌史さん。
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「LIFE SPEC」をコンセプトに、日常で感じるストレスを無くすプロダクトを企画・販売しています。レインボー倉庫には2016年3月からご入居いただいています。
★インタビュー時にライブ配信を行いました。スタッフからの質問のほか、視聴者さんからの質問にもお答えいただいています。



人の家の衣装部屋

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ーお店のテーマやこだわりポイントはありますか?
入り口に”WIC(ウォークインクローゼット)”って書いてあるのに気づきました?ここはALL YOURS STOREというお店で、『人の家の衣装部屋』をイメージにしています。うちの店はニュートラル、無機質な方がいいんですよ。内装はプロの空間デザイナーにお願いしていて、塗りもグレーのワントーンで仕上げています。
照明は自転車のホイルを改造してライトに。この灯りだと服の色が分かりくいんですけど、すぐ外に出れるから外の自然光で確認してもらってます。

▼自転車のホイルを改造したライト
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ー今までにDIYやものづくりの経験はありますか?
仕事がすでにものを作っている会社だな。(笑)
プライベートでいえば、5年前はサラリーマンだったんですけど、コーヒーの焙煎をしたり、趣味でカカオからチョコレートを作ったりしてました。
オールユアーズストアの内装はプロにお願いしましたが、DIYみたいなところもあります。特に部屋のメインとなる商品用のラックは部屋の大きさに合わせて作りましたね。工夫してどんどんやっていくので、もっとこうだったらいいなっていうのを付け足したり、一部壊したりしながら使いやすいようにしてます。

▼店内の様子
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偶発的に出会える場所

ーレインボー倉庫のことはどうやって知ったんですか?
JAM STAND COFFEEにいた茶屋さんに会いに来たんですよ。僕自転車が好きで、茶屋さんの乗っていた自転車を見に来たんです。2015年の冬前だったかな。


ちゃやさん(@chayabowie)がシェアした投稿

(★1 写真右:株式会社ヴィレッジインク 茶屋尚輝さん。2015年10月〜2016年3月、期間限定でJAM STAND COFFEEを運営されていました)


ー入居の決め手は何でしたか?
その当時クラウドファンディングをやっていて、商品を見たいというお客さんが多かったんですね。実物を見てもらえる場所を探している時に、茶屋さんに会いにレインボー倉庫に来て、その時ちょうどレインボー倉庫に空室があった。その頃は本当に金銭的に厳しくて月に20万も30万も払えないからどうしようって思ってたところで。通常の物件だったら保証金など結構かかってしまうけど、レインボー倉庫はシェアスペースということもあり初期費用がリーズナブル。
始められる金額だったので、スタートするにはちょうどいいなと思ったんです。タイミングが最高だったね。

ーシェアスペースの良いところ・悪いところを教えてください。
僕らがここで始めて良かったなって思うのは、入居している方がお客さんになってくれること。好きになってくれて、商品を買ってくれて、その人たちがまたお客さんを呼んでくれたりするんです。
僕らが単独でお店を持ってたら僕らに用事がある人たちしかこないけど、シェアスペースだから僕らに用がない人も来るんですよね。他のお店を見に来たり打ち合わせに来た人がお客さんになってくれる。初めの頃は僕が話しかけたり、向こうから話しかけられたりして仲良くなって、その人がお客さんになってくれたり。そういう偶発的な出会いがある。そこの出会いから実際に仕事につながったり、ここで出会った方に誘われてイベントに出て、またお客さんができたりとか。シェアスペースでお店を始める、っていうことは僕たちにとってすごい良いことが多かった。始める時にお客さんがもともといる人だったら単独でやっても全然いいと思うんですけど、僕らは一番最初にお客さんゼロから始めたので、偶発的に出会える場所というのはとても貴重でしたね。

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僕、公民館や図書館で勉強できないタイプなんですよ。みんながいるところだとソワソワしちゃうの。今ここにいる感じを見てもわかるでしょ?落ち着きがないの。人がいるところだと、集中してできないんですよ。真面目にやってる人とか見ると、邪魔したくなっちゃって「なにやってんの〜?」とかね。これはシェアスペースの悪いところというより、僕の悪いところですね。(笑)
(根本:確かに木村さんがいるとすごく賑やかです(笑))
うちはお店にしちゃってるから、ってことで悪いところなんだけど、事務作業をするスペースが取れない。デスクが欲しいだけならそういう弊害ないけど、レインボー倉庫ってお店が開ける場所で、それが特徴じゃないですか。それを考えると、自分のデスクが持てない。お店の中に作っちゃえばいいんだけど、スペースに限りもあるし、工夫が必要かなと思います。


自立とは依存先を増やしていくこと

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ー独立・起業をしようと思ったきっかけを教えてください。
いろんな要素があるんだけど、チャレンジしたくなっちゃったんですよ。もうね微熱に侵されて、うなされてたね。
僕は洋服の流通の世界にいて、元々はいっぱい作っていっぱい売る会社にいたんですよ。そうすると、お客さんの顔が見えなくなっちゃうし、本当に欲しいものをダイレクトに作れているのかというとやはり難しいなって。感度が必要な商売なんですよね。次新しいのなんだとか、こういうのがかっこいい、などを探していく仕事なんで。働く中で、この商売の仕方だと70歳まで続けられないなって思ったんです。もっとお客さんに近くて、コミュニティーを作りながら、物を買うだけでなくファンを作りながら商売をしていくということがやりたい、と思ったことがきっかけです。


お願いできる人が何人いるかが自分の価値

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僕、独立してる感じじゃないんですよね。
ULTRA LUNCHのドミンゴさんという方に言われたのが「独立とか自立っていう言葉って、自分で立ってることじゃない。依存先を増やしていくことだ」って。頼れる人が何人いるかっていうのが独立、自立みたいな感じで、僕は一人で立ってないんですよ。実際にモノを作ってるスタッフは僕じゃなくて会社の別のスタッフがいるんですよ。僕自身は何も作ってなくて、例えば考え方を伝えたり、ネットワークを作るのが僕の仕事なんですよ。繋がるべき仲間と繋がりにいく感じなんですよね。だから僕はこの会社の依存先を増やしていく仕事をしています。お願いしにいって、僕たちがやりたいことをやらせてもらう。逆に向こうがやりたいって言ったことも、僕らができることはやる。お願いできる人が何人いるか、ということが僕は自分の価値だと思っているから、逆にお願いされたらなんとか答えようとする。

最近Twitter上でクラウドファンディングで悩んでる方の悩み相談をしてるんですよ。ていうのも、クラウドファンディングを始める時に僕もそういう人が欲しかったんですね。僕は自分の知識を自分だけのものにしたくないんで。僕のやり方を誰かに教えてあげたとしても、その人が学んでやることは僕とは違うことだから。僕だけが知っているよりも、みんなが知ってて有意義に使えるならそっちの方がいいなって思ってるんです。


★インタビュー時にライブ配信を行いました。
スタッフからの質問のほか、視聴者さんからの質問にもお答えいただいています。


▼インタビュー中の模様/レインボー倉庫内ギャラリースペースにてinterview_allyours_03
ー(視聴者さんより質問:)サラリーマン時代はヒゲ生えてたんですか?
生えてました。でも、今とは違う整ったヒゲ。ヒゲ生やしてるのにはちゃんと理由があるんですよ!
まず、ヒゲを剃るのがめんどくさい。朝剃っても昼過ぎには生えてくるんです。
あとは顔を覚えてもらえる。僕の名前は木村っていうんですけど、木村って多いじゃないですか。名前覚えてもらうのって結構難しいから、そういえば髭のやついたなってそういう風に覚えてもらうことってすごい大事。そういう戦略です。まぁ、戦略は後付けなんですけど、生やしてたら覚えてもらえることが増えたんでこれはいいなって思いました。レインボー倉庫でも、ヒゲ、ヒゲの人とか、ヒゲの木村さんとか呼ばれてますね。
この前、イベント「僕たちはこれからどう食っていくか会議」をやったんですよ。みんなヒゲに黒めがねで黒っぽい服着てたんです。後で写真みたんだけど、その中でも僕だけ顔が真っ黒だったんです(笑)

▼その時のお写真がこちら
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ー(視聴者さんより質問:)”棒”と書いてある帽子の事を聞かれて
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京都のカルチャーショップVOU/棒で買ったもので、すごくお気入りです。
僕らは意味があることがしたい、と思って機能的で使える服、体に一番近い道具だっていうコンセプトでやっているので、無駄なものをそぎ落としてるんですよ。逆に、VOU/棒は無駄なことしかやってなくて、僕らとは反対側に振り切れてるんですよ。だって、棒って書いてあるただの帽子だよ?それが無意味すぎて超羨ましい。(笑)

ー現在までにどんなお仕事をされたのか教えてください。
高校生の時には群馬サファリパーク駐車場の交通整備と、とんかつ屋さんでアルバイトしていました。
(根本を見守っていた倉庫スタッフ磯貝と木村さんは偶然にも地元が隣町。ということでしばし地元トークで盛り上がってました)

大学生の時は電柱を撮影する仕事をしてました。親戚のおじさんがフレッツ光工事後の証明写真を撮る、という仕事をしていて手伝いをしてました。1日に200本とか撮ってましたね。マンホールの中にも入ったし、山に電柱を立てに行ったこともある。
あとは友達に誘われて治験もやりましたね。その友達、今は北海道に住んでるんだけど年1とかで来てくれているうちのお客さんでもあります。あとはスーパーの店頭で試食販売とか、コンビニの搬入、アウトドアショップの棚卸、だったり今思い出すと、結構いろいろやってるな。

ーアパレル系のアルバイトはしてなかったんですか?
高校3年生の頃からアパレルショップでアルバイトを始めました。大学時代も続けていて、「社員になったら?」って言われてそのままその会社に就職しました。僕は流通に関わる仕事をしたかったからバイヤーになりたかったんですね。バイヤーってしんどい仕事だと思われてて、やりたい人って少ないみたいですね。バイヤーになるなら下積みを長くしたほうがいいなと思ってたから、早めにやってました。現場では販売もやってましたよ。


ここにいる時間は会社の歴史のうちの何年かの話だと思う

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ーレインボー倉庫を利用している中で一番印象的だったことはありますか?
シェアスペースの人同士がすごく仲良くなる。
言い方悪いけど、合わない人は出て行くじゃないですか。でも、コミュ二ティーとして入っていきたいっていうモチベーションがあればすごい仲良くなる。仕事仲間を見つけたり、飲みに行ったりもしましたね。
僕らが入居当時、みんな仲良くなるのすごい早かった。あのころってみんなが入りたてのタイミングだったから、みんな出会いに飢えてたんだと思います。(笑) 欲していたし、みんな寂しかったんじゃないかな。


僕らCAMPFIREのクラウドファンディングのアパレル部門で、日本記録を持ってるんですね。
その時の写真は福田瞳ちゃんが撮ってくれたんです。あの子、仕事早いのよ。そんなショット数なくてすぐ撮り終わっちゃうタイプなんだけど、モデルの個性をちゃんと活かして、人をすごい柔らかく撮ってくれる。後から思ったんだけど、その日本記録を達成したプロジェクトの撮影をしてる時、瞳ちゃんがめちゃくちゃテンション高かったの。『いい感じいい感じ!』ってバシバシ撮ってて、今考えるといい感じで組み合わさったなって思って。他のプロジェクトの写真や商品写真も瞳ちゃんにお願いしているんだけど、そもそも出会いはJAM STAND COFFEEだったな。瞳ちゃんがお客さんとして来ていて仲良くなって。
unnamed-1▲写真中央:福田瞳さん
595394bb-08b0-466b-bc13-21da0ab927f8 (1)39933e8f-8fc8-4285-846d-4bf86042959b (1)(撮影:福田瞳)

レインボー倉庫は個人や作家さん一人でやってる人だったら長くいれる場所だけど、僕たちみたいなスタートアップの会社はここにいる時間は会社の歴史のうちの何年かの話だと思う。どうしてもサイズ的に出て行かないといけないから。でも、その何年かを過ごすのにはすごくいいよね。ここでできた仲間が映像作ってくれたり、写真撮ってくれたり。うちの仕事をやってくれてるのって基本的にはここで出会ってる人たちだもんね。
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僕の考え方としては、シェアオフィスって入れ替わった方が面白いと思う。うまくいって巣立った人がいて、その人がいたから入りたいとか。その方が健全というか新しくなっていかないと、同じ人がずっといると閉鎖的になっちゃう。

運営側にも思うんだけど、入ってる人を広告に使えばいいなあと思う。例えば、Good People & Good Coffeeが入ってたとかってすごくいいと思うのね。うちが入ってたとかもちょっとは広告になると思うし。スペースでこういうことができますとかも大事だけど、こういう人がいて、こうだったんですっていう。

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ーこれから独立したい人や、レインボー倉庫に興味がある人にアドバイスをお願いします!
とりあえず、実際に見に来た方がいいよね。はっきり言って、合う合わないが絶対にあるから。このスペースの中ってコミュニティーなので、このコミュニティーだったら入りたいと思う人が入るべきだし、俺関係ないやっていう人が入ってきちゃうと施設の魅力がなくなっちゃう。積極的に施設のイベントに参加するとか、変な話シェアハウスと一緒だから、仲良くできないと施設全体のためにならないし、それって巡り巡って自分のためにもならないから。電話だけで問い合わせるよりも、現地に見に来てどういう人がいるんだろう、というところを見た方がいいですね。同じレインボー倉庫といっても下北沢と池尻大橋でも雰囲気違うからね。同じ会社が運営していても雰囲気違うし、入居している人のキャラクターも違うから。

ー告知などありましたらお願いします!
僕たちクラウドファンディングに連続24か月挑戦してるんですけど、そこのページを毎月見てくれる人ができたら嬉しいですね。
ALL YOURS | 24ヶ月連続でクラウドファンディングにチャレンジ/第5弾 よろしくお願いします!


ー木村さん貴重なお話ありがとうございました!
最近インタビューを受けると、こわい人だと思われるんですよ。僕、本当は良い人なんで!
うまく編集お願いしますね!(笑)
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こちらはレインボー倉庫メンバーを順番にご紹介していく連載企画です。次回インタビューをどうぞお楽しみに!
text by:根本真衣(レインボー倉庫)


『ALL YOURS』

人を服から“カイホウ”する。
服を選ぶとき、何を基準に選んでいますか。
天候や環境を考えて服を選ぼうとすると、着られる服が制限されてしまう、
そんな経験はありませんか。
DEEPERʼS WEARは、
服の本来あるべき姿とは、時代・地理・天候・年齢・ライフスタイルなど、
あらゆる環境や人ぞれぞれの日常に順応することなのではないか、という理念のもと、
日常生活(LIFE)で服に求められる機能(SPEC)を追求した日常着(WEAR)、
「LIFE-SPEC WEAR」をコンセプトにしたブランドです。

【営業日】 毎週水〜日 12:00~20:00
【アクセス】レインボー倉庫2(池尻大橋) 003
【URL】
web https://allyours.jp/
CAMPFIRE https://camp-fire.jp/channels/all_yours
Instagram https://www.instagram.com/allyours_jp/?hl=ja
twitter https://twitter.com/kimuramasashi82

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